近年、プロスポーツのビジネスにおいても「SNSを活用してマーケティングを行う」という取り組みが活発になってきております。
ファン(顧客)と継続的なコミュニケーションを取るのに効果的と分かってはいても、その運用や活用方法に悩んでいる企業も多いと思われます。そんな中、プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」やプロ野球チーム「読売ジャイアンツ」、J1プロサッカーチーム「アルビレックス新潟」は、SNSを顧客の属性に合わせて使い分け、新規の顧客獲得や既存ファンの満足度を高めることに成功しています。
これらの3つの成功事例において注目すべき点は、ファンからのSNS投稿を中心とした取り組みを行っていることです。UGCによりファンの声を集めることでイベントやキャンペーンが活気にあふれ、それを見た人が実際にスタジアムに行ったような感覚を体験できる点がポイントです。
本特集ではSNSでのUGCを効果的に活用したプロスポーツチームの成功事例を紹介いたします。
|事例1|B.LEAGUEのファンとの距離を縮めるプロモーション
|事例2|読売ジャイアンツのファン満足度を高めるプロモーション
|事例3|アルビレックス新潟のファンベースを強化するプロモーション
|事例1|B.LEAGUEのファンとの距離を縮めるプロモーション
B.LEAGUEは2016年秋に発足し、野球やサッカーに次ぐ日本で3番目のプロスポーツリーグとなりました。しかし、2つのリーグの分裂や日本バスケットボール協会(JBA)の国際資格停止処分、チームの経営破綻など、不安定な状況が続いていました。しかし、新たなプロバスケットボールリーグの開幕により、新しい時代を迎えることができました。
B.LEAGUEは発足当初から積極的にSNSを活用し、チケットの購入が容易で、友人を誘いやすい仕組みを提供することで、入場者数を以前のリーグ時代から50%も増やすことに成功しました。
特に、B.LEAGUEのSNS戦略の中心となっているのは、多くの若年層ユーザーが利用するプラットフォームX(旧Twitter)です。実際、B.LEAGUEが行ったSNSを活用したマーケティングの成功事例として、以下のようなものが挙げられます。
|オールスター投票をSNSで実施|
オールスター戦の選手を選ぶ際には、SNS(X、LINE)連動オールスターという形で様々な企画を行いました。
SNS投票は、XまたはLINEからの公式アカウントに「#Bリーグオールスター」と「選手名のハッシュタグ」をつけて投稿という形をとったため、Xのタイムラインが投票した選手の応援メッセージで賑わいました。
引用元
|MVPの投票をSNSで実施|
さらに、オールスターのMVPもSNS投票でファンが選ぶ取り組みを行ったことで、選手や監督に限らず、ファンも参加することでオールスターイベントが大いに盛り上がりました。
SNSによるUGCを効果的に活用することで、普段情報発信をしないファンが投稿したり、これを機にSNS登録をするファンも生まれます。
そして、ライトなファンも投稿に触れる機会が増え「久しぶりにバスケットボールを観たい」と思い、実際に会場に足を運ぶキッカケにもなります。
|02|読売ジャイアンツのファン満足度を高めるプロモーション
プロ野球の各球団では、SNSの活用が進められています。今や、プロ野球を楽しむ上でSNSは欠かせないものとなっています。
その中でも人気球団である読売ジャイアンツはX(Twitter)で74万のフォロワーを要し「観客動員数の増加」「ファンサービス」を目的にSNSを積極的に活用しております。
SNSに投稿される動画や写真は、球場に足を運ぶことができなかった方がスタジアムや試合の様子を知ることができるものであり、ファンが楽しみにしているコンテンツの1つです。
そんな読売ジャイアンツが行った成功事例としては以下のものが挙げられます。
|オーロラビジョンを使ったSNS連動来場促進企画を実施|
読売ジャイアンツは公式からの発信だけではなく、ファンによるUGCの活性化を目的としてオーロラビジョン投影企画を実施しました。指定のハッシュタグをつけたSNS投稿が試合中のオーロラビジョンに投影されるという内容です。
来場して球場内でリアルタイムでの投稿だけではなく、足を運べなったファンも好きな選手への応援メッセージを投稿するなどSNS上での盛り上がりを期待できます。
引用元
|リアルとデジタルでのユーザー体験の融合に成功|
投稿内容はテキスト(文字)はもちろん、写真や動画も受け付けており、両チームのファンの応援メッセージによる競演が、シーズン開幕からオーロラビジョンで繰り広げられました。
リアルの場でのユーザー体験の向上とデジタルプロモーションが融合することでよりファンの満足度が高まり、ファンの増加に貢献する企画として長く実施されております。
|03|アルビレックス新潟のファンベースを強化するプロモーション
2023年度、J1リーグ復帰したアルビレックス新潟は、シーズンホーム開幕戦を盛り上げることを目的にファンによるUGCによる応援企画を実施しました。
|ユーザーの自発的な投稿を促進|
「#J1アルビホーム開幕」というハッシュタグを使ったX(Twitter)での投稿キャンペーンを行ったところ、X(Twitter)のスポーツカテゴリでトレンド入りも果たし、多くの注目を集めました。
|ファン同士の交流も活発に|
キャンペーンでは、UGCによる投稿を促進するだけでなく、ファン同士の交流も促進しています。ファンによる投稿に対して「いいね」や「リポスト」が増えるような企画を実施することでキャンペーン全体の総エンゲージメント数が拡大し、トレンド入りした要因となっています。
エンゲージメントを促進した効果として、フォロワー数が約400名にもかかわらず、約30,000件のインプレッションと約800件の「いいね」を獲得した投稿も存在しています。
投稿すればたくさんのファンに見られるというモチベーションから良質な投稿が増え、他のクラブチームから頭1つ抜け出した形で、開幕戦に向けての盛り上がりの演出に成功しています。
|ファンベースの構築のキッカケにも|
このようにSNS上でファン同士のエンゲージメントを高めることは、ファンベースの構築にもつながります。キャンペーンでの一過性の盛り上がりではなく、キャンペーン終了後もファン同士が自然と交流し意識しあうことでシーズンを通したSNSの盛り上がりを醸成することが可能となります。
SNS活用の重要性
プロスポーツクラブにおいて、SNSの活用は、その拡大に非常に効果的な手段として注目されています。ファンはクラブの経済的基盤を形成し、選手のパフォーマンス向上にも貢献する重要な存在です。
さらに、SNSはスポンサーシップの獲得にも貢献しています。大規模なファンベースと高いエンゲージメントは、企業にとって魅力的なマーケティングプラットフォームとなり、スポンサー獲得につながりやすくなります。
プロスポーツクラブにおけるファンマーケティングの重要性は計り知れません。その維持と拡大には、SNSの戦略的な活用が不可欠です。ファンとの深いつながりを築くことで、クラブは持続的な成功を築くことができるでしょう。
プロスポーツクラブも積極利用!
ファンマーケティングサービス「Rooot」について
「Rooot(ルート)」は、ファンによるUGCを活性化させるためのファンマーケティングサービスとして、多くのプロスポーツクラブのプロモーションで採用されています。
事例としてあげた「アルビレックス新潟様」のプロモーションでも利用されています。
Roootの主な特徴は次のようになっています。
・ファンによるSNS上での投稿促進(UGCの活性化)
・ファンベースの構築
・トレンド入りによるキャンペーン情報の拡散
Roootの導入にあたっては専用のコンサルタントが企画からプロモーションの実行、プロモーションデータの振り返りまでをサポートします。
システム開発やデザイン制作も不要、最短3週間でプロモーションを実施することができます。ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。